
自己位置推定スターターキット NaviStart


自己位置測位スターターキット「NaviStart」は、先進のSLAM技術(Simultaneous Localization and Mapping)をベースに、自己位置推定や3Dマッピングを実現するソリューションの開発環境を手軽に導入できるオールインワンパッケージです。
Kudanの商用グレードSLAM技術と、HPCシステムズのローカル5G対応の産業用コンピューターを融合し、複雑で過酷な工場や物流センター環境でも高精度な位置情報を提供。
「SLAMソフトウェア」を搭載した「エッジコンピューター」と「ステレオカメラデバイス」がセットになっており、迅速な導入を可能にします。
ローカル5Gの特性を活かし、高度な自己位置推定システムや産業DXにおける位置情報の活用を、これまで以上に効率的かつ確実に産業やビジネスに導入することで、あらゆる業界の自動化と生産性向上を支援します。
SLAM とは
SLAMは、Simultaneous Localization And Mappingの略で、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術です。 簡単に言うと、ロボットや無人搬送車(AGV)などの移動体自身が周囲の環境を認識しながら、自分の位置を把握し、地図を作成していく技術です。
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センサー情報
SLAM技術では、ステレオカメラ、LiDAR、IMU(慣性計測装置)、GNSSなどのセンサーから得られる情報を利用します。これらの組み合わせによって、周囲の環境を認識し、距離や形状などの情報を取得します。 -
自己位置推定
複数のセンサーから同時に取得した情報を基に特徴点を対応付けることで、自己の位置や移動を推定します。 -
環境地図作成
センサー情報と自己位置推定結果を基に、周囲の環境地図を作成・更新していきます。移動体が移動するにつれて、地図は徐々に詳細化され、より正確な認識が可能となります。また、向きや姿勢などの観測データも活用することで、認識精度をさらに向上させます。
キット構成

Kudan社の商用グレードSLAM 自己位置推定ソフトウェアオープンソースベースのSLAMで課題となる、精度、安定性、スケーラビリティに対応し、複雑な産業環境下でも安定した自己位置推定を実現します。
2D-LiDARでは困難な、視界遮断が発生した場合の自己位置再認識にも対応しています。「NaviStart」は、狭域での用途開発から広域のマッピングまで、多様な実験シナリオに対応します。

自己位置測位と環境の3Dマッピングに使用するステレオカメラと3D LiDARセンサーをパッケージに含みます。
これらのセンサーにより、周囲環境の障害物や空間を正確に認識し、安全な自律移動や効率的な作業計画を実現するための3Dモデルを構築します。

EDGE PAD PROはタブレットの機動性を活かし、開発業務を効果的に支援します。
用途開発や機能開発のための限定エリアでの実証実験やデモンストレーションに適しています。 産業向けの堅牢な設計により、過酷な環境下でも安定した操作が可能です。ローカル5Gの通信をサポートしています。

Edge Tankは、高性能かつ多機能なエッジコンピューターです。
ローカル5G通信をはじめ豊富なI/Oインターフェイスを装備し、複数のセンサーや制御対象との通信が可能です。広範囲のマッピングや統合的なアプリケーション運用、サーバーとしての活用など、幅広い用途に対応しています。
KudanのSLAM技術
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高精度な位置情報の提供と効率的な自動化
KudanのSLAM技術は、複雑で過酷な環境においても高精度な自己位置推定と3Dマッピングを可能にします。これにより、工場や倉庫などでの効率的な自動化作業が実現され、業務の生産性向上に寄与します。 -
多様なセンサー対応と迅速な導入
Kudanの技術は、カメラやLiDARなど多様なセンサーとの統合が可能であり、「NaviStart」はSLAMソフトウェアを搭載したエッジコンピューターとステレオカメラデバイスがセットになっているため、迅速に導入・運用が開始できます。これにより、開発者はすぐに高精度な自己位置測位を活用できる環境が整います。 -
商用グレードの信頼性と幅広い応用
SLAM技術はオープンソースソフトウェアであったり、企業が製品開発のために自社開発し公開されておらず、いざ産業用途で活用しようとしても利用できる選択肢が限られています。Kudanは商用グレードのSLAM技術を提供しており、その高い信頼性は自律走行ロボットや自動運転車など、ミッションクリティカルなシステムでの利用を保証します。
SLAM技術を取巻く開発課題を解決
ロバスト性の課題
環境変化や障害物、移動による困難
環境変化、障害物、移動変化や常時照明条件、屋内外の移動などで、視界障害な状況が発生します。高精度なセンサー、効率的なアルゴリズム構築、多くの試験を経た再現性の高いシステムを構築する必要があります。

ロバストなSLAMシステムの実現
「NaviStart」は、高度なSLAMアルゴリズムと多様なセンサーを組み合わせることで、様々な環境変化に適応できるロバストなSLAMシステムを実現します。
リアルタイム性の課題
データ量増加やインフラ制約による遅延
自律移動ロボットや自動搬送車両、ドローンなど、即時対応が求められるアプリケーションでは、高速かつ低遅延の処理が求められます。増大するデータ量や計算負荷、通信インフラの遅延は、開発者の作業を困難にする大きなボトルネックとなります。

ローカル5Gや高性能デバイスの活用
ローカル5Gの活用により、高速なデータ取得・通信を実現します。さらに、高性能エッジコンピューティングデバイスを組み合わせた効率的なアルゴリズムによって、演算処理時間を大幅に短縮します。
高精度要件の課題
数センチメートル精度の要件
数センチメートル、場合によってはミリメートル単位での自己位置推定精度が要求されるケースが増えています。通常のアルゴリズムでは対応が難しく、高精度なセンサーの導入や高度なデータ処理手法への対応が不可欠です。

3D-LiDARなど先端センサー技術を活用
高精度3D-LiDARなどの先端センサー技術を活用し、数センチメートル単位の正確な自己位置推定を実現します。これにより、制御や収集する環境データの精度が向上し、効率的な業務や安全性の強化に貢献します。
データ量増加への課題
計算量・データ量の増大
センサー技術の進歩に伴い、取り扱うデータはますます膨大になっています。リアルタイム処理に耐えるためには、効率的なアルゴリズム設計とハードウェア面の最適化が必要です。

高度なアルゴリズムと演算性能
「NaviStart」はKudan SLAMなどの優れたエンジンを採用し、処理時間を大幅に短縮するとともに精度や耐久性を高めます。高密度データを効率よく処理できるため、膨大なデータ量にも対応可能です。
スケーラビリティの課題
PoC(概念実証)から実用、拡大の困難
小規模なPoC(概念実証)から大規模な工場や倉庫への適用まで、異なるスケールで柔軟にシステムを拡張できることが望まれます。しかし、従来のSLAMシステムは導入時の設定や調整が煩雑で、スケールアップや運用拡大が困難な場合が多いです。

オールインワンパッケージとサポート体制
オールインワンパッケージで提供されるため、従来のSLAMシステム導入時に必要だった複雑な設定や調整が不要です。複数のデバイスを同時に接続・制御できるアーキテクチャをベースに、大規模施設や倉庫での柔軟にシステム拡張を支援します。ご相談ください。
SLAM技術の活用シーン

3次元情報スキャン
工場や倉庫、公共インフラ、災害現場を広範囲にスキャンし、高精度な3次元モデルを生成します。これによりレイアウトの最適化、老朽化の管理、災害状況の可視化などを可能にします。取得した3次元情報は、様々な用途に活用できます。

デジタルツイン
精密にスキャンされた3次元データをもとに、工場の内外を再現したデジタルツインが生成されます。このデジタルツインは、刻々と変化する現場の状況を正確に捉え、人や物品の動線をモニタリングし、生産計画やリソース配分を最適化します。

物流・倉庫
広大な倉庫を高精度なリアルタイムマッピングにより可視化し、在庫や設備の状況を正確に把握・記録します。さらに、ローカル5G通信を活用することで、複数のフォークリフトやAGVが低遅延で連携し、最適経路を計画することが可能となり、高度で効率的な物流システムが実現されます。

農業・酪農
ローカル5GとGNSS、SLAM技術で屋外農地から屋内施設まで自律農機の位置推定と協調制御に活用いただけます。また、環境や作物状態をリアルタイムに把握することで、自動化や精密化を進め、労働力不足の解消と生産性の向上を後押しします。

インフラ施設点検
広範囲に展開された複雑な施設でも、自律的に自己位置を特定しながら移動し、搭載したカメラやセンサーにより、構造物の3次元データを正確に取得し、その形状や状態を詳細に把握します。これにより、点検作業の安全性を高め負担を軽減、劣化予測や予防保全にも貢献します。

警備・セキュリテイ
監視カメラとの連携や自律巡回により、不審者や配置物品の異常を的確に検知します。SLAM技術と高度なセンサーの組み合わせで、正確な環境情報をリアルタイムに認識し、屋内外や昼夜を問わず警備が求められる現場で、警備員の負担を軽減し、安全性の向上に貢献します。
NaviStart導入の流れ
NaviStartの活用ステップ







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自己位置推定スターターキット「NaviStart」- SLAM技術をシンプルに -(PDFファイル)